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幅 : 9.6cm 高さ :18.6cm
尾西楽斎様が手掛けた「輪花花入」は、古典的な技法と現代的な感性が見事に調和した逸品です。この花入は、面取り技法を駆使して多面体を表現しており、見る角度によって異なる表情を楽しめるのが特徴です。置き方を変えるだけで、色の出具合が変化し、まるで異なる作品のように感じられる点が魅力的です。
陶磁器の表面を滑らかに削って、シャープでありながら柔和な印象を与えることができます。しかし、この作品では、釉薬を厚めに施すことで、面の角が柔らかく仕上げられています。そのため、シャープさと同時に、どこか可憐で温かみのある印象を持たせています。さらに、持ちやすさや滑りにくさという実用的な側面も兼ね備えています。
起源は400年前、豊臣秀吉とともに朝鮮半島から渡来した陶工、李勺光と李敬の兄弟に遡ります。彼らが日本に持ち込んだ技術が、萩の地で発展し、現在の萩焼の基礎を築きました。萩焼は、李朝の作風を受け継ぎつつ、楽焼の影響も受け、独自の個性を持つ作品へと進化しました
尾西楽斎様の花入は、こうした萩釉の伝統を尊重しながらも、現代の美意識を取り入れた作品です。その色彩の美しさは、まるで自然が織り成す風景のように、見る者の心を引き込みます。
この花入は、山村御流好みの一品としても知られています。山村御流は、奈良市山町の普門山円照寺を中心に展開される華道流派で、後水尾天皇の第一皇女、文智内親王が開かれた尼院から始まりました。歴史ある流派の好みにも応える、格式高い花入として作品は評価されています。
「輪花花入」は、季節の移ろいとともにその表情を変え、飾る場に合わせて異なる雰囲気を演出します。春には新緑の芽吹きを、秋には紅葉の色づきを思わせるような色合いが楽しめ、四季を通じて美しい佇まいを見せるこの花入は、まさに日本の自然美を体現した作品といえるでしょう。
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